無題。
hope

 
 
 
風に吹かれて揺れるように、
見えない未来を照らす空は、
無責任だから優しくて、
無責任だから憎めない。
だからわたしは、この空を嫌いにはなれない。

終わりを知ってしまうようで、悲しい気持ちになる。
あなたのことを想ってしまうと。ね。

期待。

とは、
裏切られたときのことを思う心細さと、似ているみたい。
胸の内に生まれる【なにか】と、同じくらい。の。

それでも引き寄せられてしまう。

そんな感情を人は【すき】と名付けました。
この空と同じくらいに、
とっても無責任に、
とっても無様に、
そして、
とっても素敵に。



 ◆



【信じる】と【認める】って、たぶん一緒で、僕にはすこし、難しい。
終わりを知ってしまいたくないから、【約束】は次へと繋がってゆく。
繋がっていることで、僕たちは安心することができるんだ。

人を、

【信じろ!】、【認めろ!】。
そのどっちも同じくらいに、同じ。
難しくて簡単なこと。

ふと、

上を向いた、その先に、
当たり前のように、その答えはありました。
嗚呼、僕はこんなにもあなたのことが、

だいすきなんだ。

と。



 ◆◆



赤信号は、ずっと赤。

だから違う道を探します。

きっと明日も、

同じ交差点で、

同じ赤信号の赤を眺めているような気がしても。

それでも、

今日も、

「空は、あおいよ」

何故?



 ◆◆◆



雨が終わったあとの、みずたまり。
そこに映る青の、蒼さ。
【尊さ】って、うまく見えない。

「それは目に見えないものだからさ」




だから見上げたの。

空を。

そして、
涙が止まる方法を教えてもらったの。



 ◆◆◆



「だいすき」

から始まる、いろんなことに、
どんなに心をかき乱されただろう。
苦しいのに、悲しいのに、寂しいのに、それでも、

「だいすき」

が、終わらないのは何故なんだろう。

たくさん笑って、
たくさん泣いて、
たくさん考えて、

それでも揺り動くことのない気持ち。
まるで、
この空のように、
暖まるのです。
心が。



 ◆



見上げた、空。

この世界が終ってしまっても、
残っているものって、きっと、とてもすくなくて、
それでも、
そのあとに残るものって、あなたや僕ではなくって、

無責任なこの空と、

揺り動くことのない確かな、僕たちの、その、

【感情】なのでしょう。

そのあとに残る言葉は、やっぱり……



 ◆◆



「ねっ?」





自由詩 無題。 Copyright hope 2009-03-03 19:57:27
notebook Home