冬のランナー
非在の虹

考えることない足の裡に
沸き立つ筋肉がある
氾濫の予感に皮膚は青ざめ
狂おしくアキレス腱は悲鳴を上げる
陰画に刻まれた冬のランナーよ
スタートの位置を決めろ
地べたに奇妙に指を突き立て
尻を不思議な角度で突き出せ
すべてが走っている
走らないものは存在しない すなわち
存在するものは
ひとしなみランナーである だから
路上に心臓をゆだねランナーは去る
濁流の大河を飛び越えランナーは去る
鬱勃たる大臀筋は振動する


自由詩 冬のランナー Copyright 非在の虹 2009-03-03 14:25:32
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
ランナー