び熱
かんな


この熱の
トローチを舐めるような
いくばくかの
余韻を
転がしている日々の
おわりを
さがしていた

ぬいあわせても
明日は
すぐにほつれて

口の中で砕いた
トローチのかけらの
あいまいな
輪郭は
さがしている日々の
はじまりを
ぼんやり描いているようで

目をつむった
つよく
ただつよく

熱をもつ
まぶたが擦れあって
ざらついた
舌先で
追いかけている日々の
ゆくえを
問おうとすると

すーっと
トローチが
舌の上で溶けた



自由詩 び熱 Copyright かんな 2009-03-01 19:48:43
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