被告
非在の虹

被告の名が告げられた
その名が法廷に響き渡った時
傍聴席はエクスタシーに飲み込まれ
男も女も腰をくねらせた

皮膚が硬く臭う者それは裁判官だ
検事も弁護士もシャツをはみ出させ
法廷は不潔と不信に満ちている
被告が現れるまで

被告の足取りは見られることを知っている
被告の顔は誇らしさに紅潮し
自信と優美が流れ出す

裁判官の法衣の下から
恥を知るねずみどもが走り去った
裁かれる者はなまめかしいのだ


自由詩 被告 Copyright 非在の虹 2009-02-28 16:16:20
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