おかっぱかみさま
カチキ

おかっぱかみさま


混沌がトントンドアたたく


高速飛ばして辿りついた四畳半



おかっぱあたまがうなだれて
ハナウタまじりでうなだれて


夜がよく似合うこと
小雨がよく似合うこと



エンドレスで光るテレビと流し台の鳴らないギター
ベッドの上でとても無防備なおかっぱ
凡人には触れまい
さわれない


無力感はおいしくない
栄養にならないよ


認識を求める
存在価値を求める



くれくれ精神万歳だ

つまらない器に溢れるくだらない日常
才のある人にはわかるまい凡人の日常



二人きりなのに

この四畳半は
おまえがあのこがわたしがおれが
だれが主人公なんだか分からない物語


わたしを認識しない四畳半



そんなところに用は無いと
期待はずれのお別れにさいなら言わずにドアを出る


外はあまりに寒い

温度差にやられてわたしはうなだれる



自由詩 おかっぱかみさま Copyright カチキ 2009-02-24 05:06:29
notebook Home