メロドラマ
砧 和日

砂浜に いつの間にか 小屋があって 人形劇の 幕が開いている 夕方 かわいい衣装に包まれた 人形たちが 泣いたり怒ったり でも最後には幸せになる そんな物語が 何度となく 繰り返し上演されて その度に 私たちは いつも初めての 鑑賞者だった 陽が 沈むことなく 傾き続ける よく出来た仕掛けがあって 暗くなるまえに帰るのだという 約束は 守られることも 破られることも なかった


自由詩 メロドラマ Copyright 砧 和日 2009-02-24 01:08:43
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