ウルフ&ラビット
こめ
赤い満月が暗い密林を包む
琥珀の毛並みの一匹狼は
この本能がうずく世界で獲物を探す
純白の毛の一匹兎は
本能のまま世界を飛び回る
この世界で狼はどん欲な男
兎はただのひ弱い女でしかなかった
2匹が出会ったとき
狼の本能がうずき
兎はただふるえるしかなかった
そこにいるのは一人の男と一人の女
男は女を押し倒す
こすれあう体
みだらに体のすみからすみまでなめずる
狼の悪魔のような舌
兎は辛そうにでも激しい快楽に
おぼれ飲まれる
狼はただ一心不乱に腰を振り
兎はそれを受けるだけの人形
男のほえる声と女の喘ぎ声だけが
この密林に響く
つながる下半身
それは生まれてきたものは
誰でも通る生きる物の本能
やらしく絡み合う純白の毛と琥珀の毛
愛液が飛び散り
ただ寂しくを紛らわすぬくもり
突き上げそのたび漏れる兎の声
もっと奥まで入れて
二人の衝動は激しくぶつかる
からみつく二人の舌
女は果て男は逝く
これ以上ない生命の子孫を残すための
太古から受け継がれし世界の法則
でもそれはただ快楽に浸るだけの行為
ずっといつまでもつながっている狼と兎は
紅色の満月におやすみをいい
また今夜も体を混じり合っていた