FATHER&MOTHER
poco

きみがいなくなって半年たった
3ヶ月目まではめそめそしてたぼくも
今じゃすっかり立ち直った

だけど
キッチンの換気扇の下で煙草を燻らすきみが
今でもすぐに思い浮かぶよ
煙草のきらいなぼくを
つまらない男、と冗談めかして笑ってさ

いつもの場所にきみがいる


*


バレンタインにチョコレートをくれた臨職の女の子に
なんて返事しようか迷ってる

きみのことはすっかり忘れたつもりだけど
一緒に暮らすなら
きみのような女じゃないと、と思ってる

男は未練たらしい、と冗談めかして笑ってさ
きみはどこかの街を颯爽と歩いてる
ロマンチックなだけだよと言い返して

だけどきみはここにいない


*


いつか定年退職して、
その時そばにいるのがきみじゃなきゃと思ってる

もう涙ながしたりはしないけど
いつまでもきみの影を探してる
影踏みか、かくれんぼ
はたまた鬼ごっこのようだな
本当はまだ遊びが続いてるような気がしてるんだ


もういいかい。
もういいよ。

そろそろ帰っておいで。





自由詩 FATHER&MOTHER Copyright poco 2009-02-23 23:41:15
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