見入ってくれよこの刺されよう
aidanico
窓を 開ける
太陽が 沈む
もう 一寸 ひとりで
眺めて もしも
藍と朱が交差する沖の向こう側に
寝そべって小さく閉じた夢を見れたらなあ
ああ
盗塁王 扱ける
蜜蝋が 融ける
あと 六歩 緑で
染めて 幾つも
街路樹が謳歌する青春の絵のこちら側に
待ち合わせして橙で塗りつぶせたらなあ
ああ
見入ってくれよこの刺されよう
飛び散っていまに色褪せよう
閉じ込めてまた鍵掛けよう
こじ開けて空から撒く、よう に
鳶飛んで 死せる
山の 奥に
死んだと聞いた お前に
花を 贈ろう
町の明かりもそれを見詰める閨の声も
聞けたらなあ
ああ
悴んで 指を
曲げる 時に
暖めていた 構想に
きりを 付けよう
愉しんでピースサインしてあの子の部屋に
行けたらなあ
ああ
魅入ってしまった方の罷りと
もう的と捉えた青の羊と
発つ西に向け手紙を送ろう
未だ屋根で、ずっと眠った、振りを
していたいよ
魅入ってくれこの刺されよう
信じてくれ横のささくれと
爪
と
デート
手と
ああ
ああ、