見入ってくれよこの刺されよう
aidanico

窓を 開ける
 太陽が 沈む
もう 一寸 ひとりで
 眺めて もしも
藍と朱が交差する沖の向こう側に
寝そべって小さく閉じた夢を見れたらなあ
ああ

盗塁王 扱ける
 蜜蝋が 融ける
あと 六歩 緑で
 染めて 幾つも
街路樹が謳歌する青春の絵のこちら側に
待ち合わせして橙で塗りつぶせたらなあ
ああ

見入ってくれよこの刺されよう
飛び散っていまに色褪せよう
閉じ込めてまた鍵掛けよう
こじ開けて空から撒く、よう に

鳶飛んで 死せる
 山の 奥に
死んだと聞いた お前に
 花を 贈ろう
町の明かりもそれを見詰める閨の声も
聞けたらなあ

ああ

悴んで 指を
 曲げる 時に
暖めていた 構想に
 きりを 付けよう
愉しんでピースサインしてあの子の部屋に
行けたらなあ

ああ

魅入ってしまった方の罷りと
もう的と捉えた青の羊と
発つ西に向け手紙を送ろう
未だ屋根で、ずっと眠った、振りを
していたいよ

魅入ってくれこの刺されよう
信じてくれ横のささくれと


デート
手と

ああ
ああ、





自由詩 見入ってくれよこの刺されよう Copyright aidanico 2009-02-23 19:15:50
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