わたる、みなもを
タマムシ

そんなとき
わたしは、ふとおもう

たとえば、いまはいているくつ
をぬいで、みなもにたったらしずまずに
わたりきることができるかもしれないとしたら
それが、わたしのこころをすくってくれる
と、ねぇ、きもちのおもさは
はかれないよ、

わけもわからないまま
ていくうひこうをつづけて、かっくう
するみたいに、ぎりぎりをいきていたらいつか
きっと、つかれてしまう
だから、めをとじ
て、うかべる

そんなとき
わたしは、ふとおもう

このくつは、わたしにはおもすぎる
ちいさな、しあわせのかたまりです

わたしは、そのくつをはくまえに
わたしは、そのあしもとのしあわせを
わたしは、みおろしていきていたことに

わたしは、

(わたしは、)

わたしは、

あやまりたいきもち、で
みたされる、から

みなもをゆらさないくらい、そっと
ふれようとおもう、いくつかの

やさしさのような
ひとのこころに、きづけるなら
    
そんなとき
ふと、わたしはおもう
  
(ねぇ、つめたさをわすれるくらい
 あたたかな、ゆめをみているみたいに)
  


自由詩 わたる、みなもを Copyright タマムシ 2009-02-23 01:36:17
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