映画
1486 106

空想と現実の区別がつかなくなりそうな木曜日
迷い込んだ路地裏で見つけた破れかけのポスター
主役らしき俳優の鼻のあたりがなんとなく僕と似ていた

退屈に慣れてしまうのが嫌で
だけどやりたい事も思いつかなくて
時計の針と並んで歩くだけの日々だった

フィクションだってわかっていたって
憧れてしまうのは悪いことじゃない

登場人物が誰一人悲しまずに
笑顔で締めくくるハッピーエンド
そんな映画を見たくなったんだ



傷口に塩を塗られたような気分の金曜日
三度目の失敗でどん底の絶頂
「今度こそは…」ってお馴染みのセリフ

何もない場所で躓きながら
大好きな人に傷つけられながら
それでも真っすぐ歩けるのはなぜ?

叶わないようなことだって
夢見ることを責める人はいない

数々の苦難を乗り越えた主人公が
最終的には報われるストーリー
そんな映画を見たくなったんだ



土曜日になったら映画館に行こう
流行っているものが見たいわけじゃない
好きなものは自分が一番よくわかっている


登場人物が誰一人悲しまずに
笑顔で締めくくるハッピーエンド
そんな映画を見たくなったんだ

数々の苦難を乗り越えた主人公が
最終的には報われるストーリー
そんな映画を見たくなったんだ

悲しみや絶望が溢れていても
可能な限りの涙を拭う
そんな映画の主人公に
なってみたいと思ったんだ


自由詩 映画 Copyright 1486 106 2009-02-22 21:20:15
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