深爪
三奈
「平穏」という名の
鎖に繋がれていれば安全で
私はいつも、じたばたと
鎖の届く範囲でもがいてた
日の当たらないこの部屋は
いつでも、じめじめと湿っぽく
私は、遠くにある陽だまりを見つけては
そこに行けないことが悔しくて
ただ、爪を噛み続けるの
さぁ、重い足かせは、外しましょう
鍵なら、ほら、私の手の中に
あの陽だまりまで、あと何キロ?
教えてくれる人なんて、いないけど
爪を噛むのは、やめましょう
悔しいなら、足を動かせ
短い爪は、やがて伸びる
あの陽だまりにつく頃には、きっと
ネイルの似合う綺麗な爪に、変わっている