きりえしふみ

『居なくなる』って自殺みたいだ
其処に並んだ体の良い言葉たちから
『。』を無理矢理剥ぎ取ったような 途端
奇怪さとむず痒さが僕の胸に横たわる
ふてぶてしく
『ほら僕 こんなに……こ〜んなに』痛んでいるんだ
 いるんだ としたってさ
言葉の裏側で身を捩らせているけれど 紙面上では
うやむやになるでしょう?
だって僕 平らげる人によっては ほら
どうとでもなって仕舞うから

 其処では どうやったって
血を注がなければ 体をなさない 存在すら出来ない
 一握りの言葉たち が存在していると云う
(嘗て存在していた のではなく)
ただ 見付けられるかは容易でないんだ
『偽物だよ』って顔をして そんな服を着て
ちゃらんぽらんな素振り

立っ
て いる 突っ立って
いる

らサ

『居なくなる』って 自殺みたいだ
掛け違いのボタンを直すことなく もぎ取って
仕舞う
ようなサ
綺麗な思い出だけ
カランと
小瓶に仕舞って その中でしか呼吸出来ない
キラキラした思い出になるみたいな

けど 君
笑ってしまうかい?
それとも訝しんでしまうかい? また
僕は あの時 泣いていたんだ
僕は その時 笑っていたんだ
心から

心から

思い で
心から
だなんて 伝わらない 告げられないのに
偏屈な僕はそれとは全く異なった
行動で
君に気持ち手渡す

『君が笑顔でその道を 歩いて行くように』
僕らは大事な言葉を飲み込むんだ

(c) shifumi kirye 2009/02/22



自由詩Copyright きりえしふみ 2009-02-22 06:01:49
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