めい・あん
前澤 薫
ひたいにてをおき
とおくにできたコーヒーのしみをみつめる
はんぷくするピアノのせんりつに
きれきざませたときどきをおもう
ちれぢれになってしへんには
じゅうしょがかかれている
あてどない
どこをあるけばいいのか
ひかりをみすぎたのか
ちかくをみすぎているのか
ピカソのえの
だんぺんだけうつる
ほほがしんじられない
かたちをしている
わたしがわたしを
みている
かげえをふむよう
いつまでもおいかける
ときはとけ
くもがせまる
めをつむると
やみがひろがる
かつてないせかいに
むねがうごめく
むかしのげんじつに
ゆめがくろくそまる
こどうがはやまる
ゆがむきしむ
くさびがうちこまれ
ちをながす
さだめのときだった
あのときのこと――――
めをひらき
きりをかきわけ
ただひたすら
あるくのだ
めひょうのように