あらゆる氷が簡素になった部屋の中で
井岡護

 空洞がいくつあるのかを
  意思の伴わない巻貝の
あなたは数えていた
     色をした草原
    違う時に水分がその
 組み直された
 量を変化させる
           徘徊
足音によって摘まれる
のだと誤って定めている事に
        鼠はそうして
   も気が付かずに
   落ちていけない
 口の中に
      透写されていた
そのようにして
     は鳥類の錆
  無数の掌
    を舐める塗料が旗や傘
          だけが深く
 に坐っている


    それら全てに貼ら

      れた炭色の皺


自由詩 あらゆる氷が簡素になった部屋の中で Copyright 井岡護 2009-02-18 23:01:39
notebook Home