夕暮れの電車の、スピードで
鈴木まみどり

ほっといてくれ
もう
悔やむことはなにもないのだから

汚れたガラス窓に
映るこの街をなぞって
私は
ラヴェンダーの空に泣く

そうすれば、もう
明日を謀ることさえ困難だ

さわるな
ほっといてくれ

今となっては、もう
無関係に深くなるこの空だけが
私にしみいることを
ゆるされる


自由詩 夕暮れの電車の、スピードで Copyright 鈴木まみどり 2009-02-18 17:52:22
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