僕らの。
プル式

なにも出来ない事をしっている
だから少し
悲しいのだ
そこに居ない自分
そこに伝わらない言葉
私の中で膨らみ始めた小さな声は
ほらすぐ
そのままで消えてしまった
小さな泡の様に渦巻きながら

言葉にしてしまおう
何度もそう思っては口先だけで呟き
誰にも聞こえ無いうちに息の音でごまかす
チガウチガウチガウウチガウチガウ
意味をなくす為に繰り返される言葉
ソレハダカラコウナッテイルノダカラ
全てを隠す為に理由付けられる意味
枯れ葉は森へ
そこでは骸も見えない
そうして土に還る

しかし僕らの森には養分など無い
そこに在るのは累々とした屍の山
僕らが心を無くす為に築き上げた山だ
枯れ葉は森へ
屍は屍へ
僕らはいつしか痛みを感じなくなるだろうか
あの山の様に
全てを包んで笑って居られる日が来るのだろうか

森の小さな微生物は僕らの言葉を拒否し
ただ互いの小さな体を寄せ合い
寄せ合った相手が死ぬとその体を食した
次の相手も
その次の相手も
その次も
そうしていつしか
微生物たちは消えてしまった
分解されなくなった僕らは
もうどこに行く事も出来ない
消える事も
生まれる事も
永遠に
いつまでも。


自由詩 僕らの。 Copyright プル式 2009-02-17 19:10:58
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