フリー
砂木
どこのひとでもない
という私
普通の会話の中
会社での事
不況の中 仕事があったりなかったりで
決まった担当をはずされ
ある仕事をいただいている
慣れている仕事 慣れていない仕事
やった事のない事も挑戦
できませんは クビにして下さいだし
近くの会社もリストラをしている
行く所がないので気合をいれている
フリー
社内で都合により移動して働く
状況により変わる仕事
成功 失敗
手馴れた頃にはまた変わる
嫌でしょう 戻りたいでしょうと
たずねる人がいるのだが
どこでもいいよ 使って貰えるならと答える
ツカイステカモシレナイケド
フリー 所属はどこのひとでもないと答えながら
ちょっと 笑う
もともとね 生まれつきしばられるの嫌いだし
真面目に働いて社会に刃向かう気もないけれど
会社勤務で こんな言葉をいう日がくるなんて
フリー 稼ぎながら仕事を覚えるって理想的
知らない事覚えろっていうなら喜んで つつしんで
偉い人も下っ端も 立ち姿は変わらない
会社も畑も田んぼも山も 私のものじゃない
わたしをものにできない
フリー 詩人にだってならない
私は どこのひとでもない
ひとりで寂しいでしょうと
いう人がいる
大丈夫
この詩をつい読んでしまったあなたがいるから