仄かな光
kauzak
信号待ちの車の中
ふいに
シチューの匂いが
忍び込んでくる
こんなに濃厚なシチューを作る
幸せな家はどんな家だろう
と思うけれど
走り出した車の中
すべては押し流され
もはや確かめる術もない
*
家路を急ぐ電車の中
つと
上げた視線の先に
瞬く星があった
視界には納まりきらない
高みに
ぽつんと
名前を知る
知識も手だてもないけれど
その輝きを見ている
自由詩
仄かな光
Copyright
kauzak
2009-02-14 22:36:35
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