シルエット
いとう



さかなにはさかなの
けものにはけものの
くらい、影があって
さかなにはさかなに
けものにはけものに
それぞれのくらしと
それぞれのねむりが

境い目の波に
夜の月明かり
揺れる円の中
くらげが生まれ
海月と呼ばれる

たいようがのぼって
いちにちがはじまる
さかなにはさかなが
けものにはけものが
それぞれ寄り添って
なにかをころしあう
さかなにはさかなの
けものにはけものの
それぞれのすみかと
それぞれのはかばと

境い目に海月
目覚めないまま
消えていった





未詩・独白 シルエット Copyright いとう 2004-08-18 00:14:10
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