飛び立つ日
ひとあめ


彼が、胴体と精神を切り離したいと願っていた
つづけざまに失ったものが大きすぎたといっていた
そういう感情らしい勢いを大事にするタイプにはみえなかったので
金さえあればなんとでもなるのでしょうと
いおうとしたけどやめた

目にみえるものはいつかはなくなるといっていた
みえないものはなくならないのかといったら
あなたがいなければすべてないも同じだと
わけのわからないことも聞いたような気がする

わだちの雪を踏んでいる
軽い鳥の足どりをまねして
笑い声をおさえながら
似たような顔をしてささやく



自由詩 飛び立つ日 Copyright ひとあめ 2009-02-13 20:01:27
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