黙殺
aidanico

鯖、青くあれよ
他愛も無い会話にひとりで萎れて
声を殺す自分以外の
殺生するな、その声で
正夢のなかで
静寂に甘えずに瞳孔を拓けよ
望遠鏡
向こう側の前に
焦点を見出せ横たわるのなら、
目を閉じて眠れば
いいのに

縞、縦であれよ
溜息なら強く吐けよ
戻すのなら思い切り出せよ
愛してるなんて
嘘のような本当のようなまぼろしを
見披くまえに

考えるのなら、まくらの低い場所で
また一人で
せめて知らない振りを、
して

母よ、強くあれよ
弱くあれよ
曰くあれだ
お前が起きるから未だ栄えないんだろう

静寂よ、一日を覗けよ
そして動くなよ
まるで陽の差す岩の、
ように





自由詩 黙殺 Copyright aidanico 2009-02-11 00:55:17
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