黙殺
aidanico
鯖、青くあれよ
他愛も無い会話にひとりで萎れて
声を殺す自分以外の
殺生するな、その声で
正夢のなかで
静寂に甘えずに瞳孔を拓けよ
望遠鏡
向こう側の前に
焦点を見出せ横たわるのなら、
目を閉じて眠れば
いいのに
縞、縦であれよ
溜息なら強く吐けよ
戻すのなら思い切り出せよ
愛してるなんて
嘘のような本当のようなまぼろしを
見披くまえに
考えるのなら、まくらの低い場所で
また一人で
せめて知らない振りを、
して
母よ、強くあれよ
弱くあれよ
曰くあれだ
お前が起きるから未だ栄えないんだろう
静寂よ、一日を覗けよ
そして動くなよ
まるで陽の差す岩の、
ように