雪ならいい
れつら
とっくに詩人でなんかなかったことを
ようやく認めようとしている
もういらない飽きた
雪でもいい 食べたい
とっくに凍えて死ねてしまうのに
肌の強さで生きてしまえる
身体は絶えず冷たいと愚痴るのに
心のほうがにやにや笑えというのだ
できそこないの思いがくやしい
みじめに散っていく飛沫
水が轍を覆い、冷たくなれば凍る
おりてくるのが雪なら
足跡も残せたろうに
雨だからできない
順序がまずかった
出会うやりかたを、やりかたが、
差し替わっていたならば
「寒いの、平気なの、私は、雪国の生れで、ほんものの北国のひとだから、
お茶とか、飲みます?あったかいの、淹れますけど」
やさしい彼女は友達
なんかおもろいこと言おうと思って
口先がべとつく
こんなに寒い日でも
雪なら冷たいだけで済んだ
肩からはたき、落として、
歩けばよかったのだけれど