冬風が泣く
北星三天
派生する
頼りない糸
喉が焼ける叫びを
声に換えて手繰る
風が泣く
誰に話しても
つうつうと
話し中の合図だけが
耳を打つ
奥で風が泣く
忘却は螺旋しながら
知ることの無い彼方へ
飛び立ったまま
振り返る僕自身を
息が溶けるほど
抱きしめる
また風が泣く
心情の柱は
斜線の入った
日常の壁にもたれかかります
溢れる静寂という
音の無い音に答えます
影を隠して
今日も
冬風が 泣く
自由詩
冬風が泣く
Copyright
北星三天
2009-02-10 17:27:06