代償
北星三天







上から下へ
振り下ろした腕が
幾つもの振動が
うねりを混ぜた
振幅と余韻を残した



真っ黒な絵に目が冴える



二面を背負って
君と僕と貴方と私と
彼と彼女が
わかったつもりで
夜空に指で線を引く




この陳腐な頭で
繰り返し点滅する
意識の星を撫でている


無限のグラデーションを描く
雨の降る通り道に生きている

灯りをつけて
眼鏡に黒い板を貼りつけている


それでも
この陳腐な頭を
振り回しながら
つきまとう悲哀の雫を
振り払おうとしてる



真っ黒な絵に目が冴える



一筆の光の点を
つけたいが為に






  代償など




自由詩 代償 Copyright 北星三天 2009-02-09 15:40:38
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