逃亡者
nonya


裏切り者の
地平線は
沈む

沈んだ
地平線から
朝が現れる

目覚めた時から
裏切り者は
傾く

傾いた
日常茶飯に
安住の平野はない

転げ回っているのか
追い回しているのか
分からない

追い回しているのか
逃げ回っているのか
分からない

裁かれることのない罪は
少しずつ角がとれて
丸くなる

丸くなった
背中をさらに丸めて
うしろめたさを弄んでいるうちに

裏切り者の
地平線は
せりあがる

せりあがった
地平線に
昼が隠れる




自由詩 逃亡者 Copyright nonya 2009-02-07 10:25:13
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