宿題
ヨルノテガム
小学生の太陽は何故明るいのか
赤ちゃんの記憶は
何処?
僕たちの創作物が悪霊や怨念を
改心させることはあるのか
ちっぽけな思いつきは何処からやってきたの?
海の水なんて ただ塩辛いだけなのに、でも
あの深い色のことだけは胸を騒がせるんだ
山を登れば何を知るの?
翼のことは孔雀にお伺いしたいナ
あんな色の絵の具がいつでも手から出たら
虹が描けるよ キミが失ったものは
ボクも失ったよ
風邪ひきやすいんだ、一年に一回くらいだけどね
一年が早過ぎるから
魔法のことはずっと考えていたんだ
みんなが騒いでいるところには ほとんど居なくて
贈りもののように現れる
宝探しみたいに鼻がきいてコツはあるようだけどね
取り込んで忘れてしまうんだ
風邪のことは忘れたよ
名前つけてないからね
皆が寝静まった夜、昔ひいた風邪の記憶が一列に
名前をつけて甦る
点呼するのはわたしで、クシャミで返事をする者や
ひどいセキをもらす者、眠った者がうなされている
熱がひとり欠席していて、それを探しに行く
教室を出て 熱を探しに行く
似た奴で間に合わそうかと思う
似た奴で間に合わそうかと思う
走ったときのそれや、人を想うときのそれで
何かうまく代用して、皆が、集まらない者が、
集まればいいと思う
熱の記憶が太陽だけ咲いた空を寄越す
熱い、熱いのは真昼の太陽、昼下がり
わからないことばかりでも 怖れず楽しんでいられた
意味が手を繋ぎたがっている
意味が手を繋ぎたがっているんだ
泣いたことで発芽した世界と。
この世界のこと。