御覧のように
霜天
一呼吸置く、世界だったり
待ち人は来なくとも
息は吐けます
卵の丸みを写してみた紙には
吸い込まれそうな白さはどこにもないのです
変容のない毎日です
僕らは生まれていますでしょうか
どうか、と唱えます
定規で引かれた一本の線が、途切れません、ようにと
零れることが、流れでした
涙でした
平均台の、世界でした
上手く渡れても、流れに零れても
風景は、風景は、風景は
手を広げて、追い抜いてくれるでしょうか
変わらないことは近いのでしょうか幾度も巡り回され色は薄くかたちだけになったとしてもそれは、決してそれは
道端に夕暮れる私です、あなたです、そこら中に
僕らは生まれていますでしょうか
サイコロを振って、一回休み
形式通りに零されながら
斜めに夕暮れた街に呑まれて
息を吸うように眠るのです
御覧のように
欠片もなく
御覧のように
凪いだ世界で