ぶち壊せ
知恵
自分を守るため。
そう言い聞かせて、自分の周りに壁を作っていた。
出来るだけ高く、高く、俗世間の風景が目に入らないように。
だけど、私を守っていたはずの壁は、私からあらゆる感情を奪い去った。
私の周りは殺風景だから、生まれてくるはずの感情が、無意識のうちになくなっていたのだ。
殺風景なその場所は、安全だけれど、寂しかった。
誰一人訪れない場所。
「自分を変えたい。色んな感情を感じたい。」
私はそう願うようになっていた。
そして、壁を壊す決意をしたのだ。
決意をしてからは早かった。
ベルリンの壁が壊れたように、私の壁も崩れ落ちた。
そして、崩れていく壁の向こうから、光が差した。
「希望」という名の光。
「未来」という名の光。
私はそれらの光と共に、今、ここから一歩を踏み出そう