自分勝手
ゆきちゃん。

「風の歌を聴け」
だとか
「花の囁きに耳を傾けて」
だとか
あなたは言う

私はいつも

へぇ キレイね すごいね、感動するね、

と言ってはみるけれど

本当は少しも聞こえていないの
風の歌やら鳥の声やら春の訪れだとか
そんなもの本当はどうだっていい

例えば今あなたと私が立っているこの大地に
あなたが好んでいるもの(きれいな青空だとか、そういう類の)がひとつもなかったとしても
どうか悲しまないでほしい
あなたがそれでも「聴け」と言ってくれれば
二人のまわりにはたくさんの幸せな音色が
私には聞こえている

だからどうか悲しまないでね


自由詩 自分勝手 Copyright ゆきちゃん。 2009-02-04 16:16:49
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