たばこ 五首
折釘

  いたむ目に
  また
  煙り刺す

  秋の空

  誰か気づいて
  夕立ちの人



   仕方なく
   灯すほのお
   と

   苦い液

   吐き気がのぼる
   気持ちは
   おちる



    どこまでも
    ひとり

    あなたの目の前で

    口にくわえる
    世界をもやす



     カーテンを
     透かす

     光に
     手をふれる

     混沌のなみ
     そのくらやみに



      試練
      とは

      いつも
      何かに隠されて

      灰がこぼれる
      皿のまわりに









短歌 たばこ 五首 Copyright 折釘 2004-08-16 16:57:14
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