ふとつらつら思うことあり。
つゆ

洗濯機を開けた時の

むせかえるような匂いの中に

なつかしい記憶がよみがえってきた。



隣に並んでご飯作ったっけ
トイレの掃除は替わりばんこだったな


あの電柱のところまで、と決めて
スーパーで買ったもの
どちらかが持ったよね。

小学生のランドセル持ちみたいに。

だいたいいつもあなたが持ってた。
だって私はあなたの癖を知っていたから。いつもパーから出してたよね。

あとになってふと気づいたの。
あれはあなたの優しさだったんだなあって。


私たちはあの頃にはもう戻れない。

やり直すことはできないけれど、
私が日常のちょっとした瞬間にあなたを思い出すように、
あなたも私のこと見つけてくれたらいいな。
素敵な思い出としてじゃなくてもいいよ。反面教師としてでもいいよ。


あなたがくれたその気持ち、私今度はまた別の誰かにあげるべきだと思うの。
あなたもそう。
あなたが必要として、同じようにあなたを必要としてる人にあげるべきだわ。


そしたら気持ち、じゅんぐりめぐるでしょ?
そしたら気持ち、不平等じゃなくなるでしょ?

なんて、強がってもちょっとさみしいけど。


だけどね、ビールの泡のように、ほろ苦さがちょっぴりで
きらきらがいっぱい詰まってる
この宝箱の中の思い出
抱きしめてくよ。






自由詩 ふとつらつら思うことあり。 Copyright つゆ 2009-02-02 11:09:00
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