まことのことば
板谷みきょう
人には、
朝、目が覚めて「あぁ。今日も生きてたのか。」
と残念がるのと
「あぁ。今日も生きてて良かった。」
と喜べるのと
二つの人間しか居らんのさ。
ご飯が美味いか不味いかなんて
食べることが、できてればそれだけで幸せだのに。
なんも、昔は食べれなかったんだから
美味いもんは美味い
不味いもんは不味いんだから
腹が膨れればそれで良いべ。
嫌なことならする事はねぇべよ。
したいことは、すれば良いべし
無理することも
我慢なんてする必要もねんだって。
曲がっていようと真っ直ぐに生きてようと
そんなもん
どんでも良いんだ。
あぁしたいとか、こうしたいとか考えるのは
先のある人の言葉だべなぁ。
あんたは、まだ若いからなぁ。
他所の人間の言う事なんか聞かなくても
どんでも良いのさ。
あんたがオレと同じ年になれば
自然に分かってくるって。
だから今は、まだ分からんくても良い。
なってしまったもんは、運命。
死んでしまえば、寿命なだけだ。
百歳近い爺さんに意見された。
何も言えない。
ただただ頭を下げるしかない。