陽気なポルカ
k.ジロウ

◆君はあの狼の群れを見たかい?月が僕にささやいた。
君はあの岬の向こうの羊番だろう?私は知っているよ。
月は何か人違いをしていた。僕はあの岬の上の墓守だった。
月は何か嬉しいようにささやいた。僕は羊番の振りをした。
なぜなら、彼らは神から祝福されていたから。
僕は、いつも、嫉妬していた。

君は早く帰って羊たちに知らせたほうがいいよ。
君はあの岬の向こうの羊番だろう?私は知っているよ。
月が嬉しそうに僕に話すのは、神の祝福が欲しいから。
月が誰にでも美しい光を投げかけているとは限らない。
なぜなら、僕は暗い気持ちでいたから。
僕は、いつも、嫉妬していた。

君はいつもと様子が違うね?月が僕を訝しがった。
君はあの岬の向こうの羊番だろうね?私が知っている。
月が不安そうに僕に話すのは、神の祝福が欲しいから。
僕は、ああ、そうだよ、僕は羊番だよ。
僕は、ああ、急がなくては、その狼たちから羊たちを逃がさなくては。
僕は、ああ、君に感謝するよ・・神の祝福を!
僕は、ああ、嘘をついた。
なぜなら、僕は嫉妬していたからだ。

月は安心して眠ってしまった。
僕は暗い墓場をうろうろした。
羊はたくさん死ぬだろう。
羊番は途方にくれるだろう。
月は神に僕のことを告げ口するだろう。
僕は暗い墓場をうろうろした。
僕は暗い墓場をうろうろした。


自由詩 陽気なポルカ Copyright k.ジロウ 2009-01-30 13:24:07
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