1と2
モリマサ公
1
そして皮膚が脱げていく
鳥になって
JRの中にすごいあふれて
ホームのドアが開くたびに散らばって
ぶわっとなりながら
短い永遠とたましいを乗り換え
不安と怒りは眠りと平坦な祈りに形を変えて
時間は何度も揺り起こされて
たくさんの窓たちがまばたきながら灯って
世界は歌っている
重力の関係で
声がなまなましい粒になっておっこちてくる
地上はもうすでに場所ですらなくて
1つの曲になって流れている
2
「そういえばパパはどこ?」
みんな最初は泣くだけの赤ちゃんだったのに
みんな小さく裂けながら心臓だけになって走っている
追いかけて追い抜きながら追い抜かれて
コンビニもファミレスもからっぽなままどこかにすべっていく
コンテンツという文字が並んで
ノーティスボードで写真になった家族たちが全員こちらをみつめてる
咲き乱れながら輪郭や数字になって
どこにも触れることのない地図たちが重なって
ブルーシートの皺でできた波が海面をおおってる
「てゆーかどこからが空のはじまりなの?」