ヒキコモリ
氷魚

プランタで育てていた
紫と黄色のパンジー
久しぶりに目を向けたら
ぜんぶ乾涸びてた
さっき気が付いたの

可哀相な子
綺麗になった時間帯が
私の荒みきった日に
ちょうど重なったから

そのままにしておくのも
あんまりだと思うから
紫だったのをひとつ
コートの襟に付けてあげた
久しぶりに洒落こんで外へ出た

ドライフラワーってのはね
愛されながら乾涸びたやつを言うの

黄色だったのに嗤われた
憎たらしい
私のことが憎くてならない
そういう顔をしていた


自由詩 ヒキコモリ Copyright 氷魚 2009-01-28 13:10:51
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