最後の賭け
宣隆
生まれたての朝が
静かにベールを脱ぎ
胸の時計が刻んだ
コマ送りの世界の中で
思い描いた風景と
引き込んだ色とが
混ざることを拒んでる
緑に囲まれた空を
鳥たちが飛ぶことさえ
切り捨てる覚悟で
太陽の赤を消して
暗闇に落ちることさえ
受け入れる覚悟で
ここまで来てしまえば
もう後には引かないさ
願いを伝える前に
消えた流れ星の行方を
追いかけるような想いで
次の扉をくぐり抜けた
自由詩
最後の賭け
Copyright
宣隆
2009-01-27 18:08:14