水色の雨
百瀬朝子

ある真昼、
水色の雨が降ってきた
空は色を失くして灰色だった

色のついた雨はあたしに降り注ぎ
あたしの心の
色のない部分を染めていく

孤独は色を持たない
だから染まる
穴ぼこを埋めるのは
砂でも水でもかまわないけど
孤独はたやすく埋まらない
だから染める
一時凌ぎの容易な手段
色づいた孤独は、もう
孤独ではなくなるから…
そのかわり、色づいた孤独は
より深い深い穴をつくった

愛する人と寄りそってわかったこと
愛する人が愛すべき人へと変化を遂げること
かけがえのない存在が
孤独を埋める
水色の雨はもう降らない


自由詩 水色の雨 Copyright 百瀬朝子 2009-01-26 18:34:47
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