冬の日に贈る即興詩
山中 烏流




遠ざかる木枯らしに
鉛筆が舞っている
私が前髪を切った午後
小さな窓辺の話

反射した日差しが
溜まりになって、揺れる
それは、限りなく白い/暖かい
まるでまっさらな
例えるなら、夢のようだ


ざわり、
逆立つ岸辺
瞬きの度に訪れる赤が
何故だか、懐かしい



******



子猫のような素振り
構われることに慣れる度、
その当たり前を知る

知ることは
必ずしも、と言ったことが
確かにあった筈で
私に向けられているそれは
きれいで、美しく、こざっぱりとした
上辺という嘘だった


信じるものは毛布と枕


眼鏡越しの視界だから
そう思ったのかもしれない



******



手を握る
高台から臨む色は
何よりも、変わらない

写真で白く見えたのは
何故なんだろう
恥ずかしがり屋だから
顔を隠してしまったんだろうか


飴玉を転がしながら
雀の声を聞いた


細くたなびく雲になりたい、と
願っていたことを
話したとしたら
あなたは、怒るだろうか











.


自由詩 冬の日に贈る即興詩 Copyright 山中 烏流 2009-01-26 11:35:25
notebook Home 戻る