ヨルノテガム



 彼女のお鼻がお空を見てる

 雲と雲しかないのに

 眠りのあとさき、夜の雫を瞳に囲って

 彼女のお鼻はお空を見てる

 何分の一でも想う胸の音を聞かせておくれ

 雲と雲ばかりが眩光を知っている

 彼女のお鼻がお空を見てる

 くちびるのこと、大事に取っておいたんだ

 風の話、キミが笑うよ

 彼女のお空を粉々に

 壊したいくらい近づいて

 それでもお鼻はお空を指して

 太陽が差し込むとあなたは泣いた

 私は焼かれて一番間近な雲になる

 彼女のお鼻は

 お空をあるく

 何度も 何度も

 あるく











自由詩Copyright ヨルノテガム 2009-01-26 03:57:15
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