Aria d'amore
エスカルラータ




愛に迷う朝の瞳に抱かれた
木陰は透きとおり
空へと還る一つの現象で
(降っている、)
砕けた青の波を
すべりおちていく冬の光

潤滑する霧のなみだは
雪片を
あかあかと燃やし
ぱりり、と
折れた星影を
すくいあつめて白波を追う

祈りは祈りを見つめささやき
やがて回帰する金色の波動
うしなわれた水平は
連なる瞳と瞳の呼吸をもって
咲き返す
あざやかな朝の事例が


真空が選り抜く水晶のように瞬いていた






自由詩 Aria d'amore Copyright エスカルラータ 2009-01-25 20:27:35
notebook Home