裏路地からだラプソディ
氷魚

裏路地で
出会ったのは
脚を止めたからだ
彼の躰
見つめたら
急に止まったからだ

濁った空気 
曇り空みたい
彼が灰色だからだ
その身体
彼が自分で
愛さないからだ

何処かを睨む瞳は
コンクリートの色だ
銀色と呼ぶほど
彼が自分で
愛せないからだ

指先で
彼の背中に
羽根を
書いてやったのは

その身体
自分を愛して
ほしかったからだ

愛されたかったからだ
私が愛したからだ


自由詩 裏路地からだラプソディ Copyright 氷魚 2009-01-23 14:51:36
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