みんなてき
依
みんなてき
そう思っていた時期があった
へらへらと笑っている
鏡に映る自分さえも
みんなてき
解りあえることなんてない
あなたとは違う
口にも出さずに怯えてた
みんなてき
傷つけられるくらいなら
傷つけてしまうくらいなら
いっそ消えてなくなりたいと
みんな、てき?
でも母さん
最近わからなくなったんだ
なんだかちぎれるようなくすぐったさ
みんな、てき?
ひとはこんなにも
柔らかい言葉を持つものだっけ
知らなかったのは、僕だけなのか
みんなてき
こわいものは、皆怖いんだね
幸せでいたいときは、皆笑うんだね
皆、同じことを考えてた
みんな、てき
どうしたらいいのだろう
みんな敵だと思っていたのに
母さん、ほんとは優しいひとたちばかりだ
(あるいは自分の認識さえも疑うこと?)