ワンピース
氷魚

淡灰色の木綿

胸元に縫われた
鉤針編みの
ほんの些細な花を

両肘の下で袖をとめる
小さなボタンを

白いタイツを履いた
二つのひざに触る
生成色のピコレースを

顎の下から
下腹部にかけての
なんの気負いもない
解放感を

足もとから
背骨を伝って
頚筋へ抜ける
さわやかな風を

わたしは
少女なのだ
そんなふうな
暖かい
きもちを




すとん、と一枚で着る



自由詩 ワンピース Copyright 氷魚 2009-01-19 23:21:54
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