華原朋美
モリマサ公

ランドスケープでみるゴーストに笑いかけてみる
歯茎が乾いてしまった


あたしは隆起した巨大なステージ
たとえばアリゾナをバックにスナップをとる
「もっと自然に!」
つきだしたピースサインはあまりにも小さすぎたが
そういうことだよ


どんな場所でも生きていけるなんてロハスな妄想
ハーベストを待つ根菜の静けさ

オナニストたちがアップする自我が浮遊する


なんていえばいいかわからんが美しい
そのほっぺたの涙がユーチューブ?てゆーか
てゆーかサバイブ?


ケイブからよつばいであらわれる毛皮の少女の汚れた足から
固まった泥がはがれおちる
こんがらがった髪と下から閉じる目蓋が特徴的
決して美人ではなく
やぶにらみ ですきっぱ


カイラスの麓でする五体倒地
鳥葬で砕かれ空中に運ばれていく肉たち
それらをサンプリングして
ターゲットは子供たちでジャパニーズポップスをメイクする

何も気付かないでいけるというのはなんて幸福なんだろう
アクセスブロックをかける

エイベックスで石をぶつけられるとひたいが割れた
ソープで泣きはらした目で今日のお給料をもらい
タクシーでウィークリーマンションに帰宅する
おんなのこたちのそれからの運命






それから

あったかい紅茶を見ている
いや虹だ
人肌にぬくもるレインボウブリッジを時速120キロで
見えてるのは人類のたましいたち
8分20秒前のわくせいから届くひかり




 


自由詩 華原朋美 Copyright モリマサ公 2009-01-19 22:26:38
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