幼い恋
akane

たくさんのものを捨ててしまいました
あなたを追いかけるためにたくさん捨ててしまいました
でも、惜しくはありません
私の一番はあなたなのですから

胸にあるのはたった一つあなたへの恋の炎だけです
そっけない態度に、芯まで凍えそうにゆらめき
何気ない微笑みに、期待して燃え上がります

いっそ、空気のように無視してくれたら良かったのに

この恋の種は、わずかの間に芽吹き
たった一輪花を咲かせてしまいました
この恋は炎の花

わかっています
この花が実を結ぶことはありません

あなたは、私ではない他の一輪を愛でているのですから
ああ、この恋の炎はどこへやったらいいのでしょうか
嫉妬に焼かれ焦げるよう
悲しみに煽られ引き千切られるよう
あなたが受け取ってくれない限り行き場がないのです

たくさんのものを捨ててきてしまいました

私を苦しめるあなたへの思い
今、あなたを思い咲かせた想いを捨てましょう

ああ、たくさんのものを捨ててきてしまいました。

でも、たったひとつ捨てられないものがあります
あなたへの恋ではありません
そうであったらいいのに

私は私が捨てられません
私の心が泣きます
どうして、私ではだめなのですか
何を捨てても追いかけたあなたなのに、あなたの幸せを願えません

あなたは私の一番
そう思っていました

私を苦しめるのは私の心

でも、そんな自分勝手な私だったとは信じたくはないのです
あなたへの思いが汚れてしまいそうだから
ただ純粋にあなたが好きだった、そう思っていたい


自由詩 幼い恋 Copyright akane 2009-01-19 03:18:24
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