百鬼夜行詩 <6>
nonya



狐火


東京タワーのライトアップのバイトは
少し怖かったけど時給の油揚は厚かった
明日は午後6時にお台場集合らしいけど
エコとか言って体よく使われてる気がする
人はあやかしなんかよりずっと腹黒いらしい
真夜中の公園のブランコを揺らしながら
溜息を燃やしたらいつもより青白かった





火車


人の骨に染み込んだ罪は
肉が滅ぶと溶けて流れ出す
人の器で何十年も熟成された罪は
えも言われぬ格別の味がする
火の車を飛ばして棺桶を奪い取っては
罪人の罪をすすり尽くす俺は
百年の闇を生き延びた猫







自由詩 百鬼夜行詩 <6> Copyright nonya 2009-01-17 10:12:22
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