ガザ
モリマサ公

朝日が昇る前に今一番好きな人の誕生日が来る
あたしはプレゼントをえらべなくて
そのかわりに周囲をうろつくのをやめることにした
おもいが超つのる

目を閉じると手のようなものがムスーにあらわれて
クレーンがのびて鉄材をはこび
人のいない時間の渋谷の街の輪郭線やネオンが重なり
緑色のちいちゃな知らない女の顔がぽつんと浮かんで消えて
たくさんの線がいっぱい見えた
地点として限りなくゼロにちかいその場所は
核の実験
もしくは
成功したテロの跡地だ
あたしは今うまれたばかりみたいに無防備で
誰かの両手のひらで持ち上げられているところ
エブリシングデッドした砂漠を南下
マイノリティを除いては
我々は常に冷静な目であり耳である
シャッターを切り続ける
まだあたたかい子供らの血が染み込んでいく部分について
偽善というアングルにながれこんでくる口笛のヒュー
俯瞰という瞬間にすら星たちは全部気が狂ってる
光の早さでしか行けないような遠い場所でいつも
燃えたり爆発しながら

ワー



自由詩 ガザ Copyright モリマサ公 2009-01-13 21:57:41
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