カケラ(ピース)
高杉芹香
年明けの勤務5営業日は、普段より凄く長く感じた。
金曜の夜は、意識が遠のいたくらいだ。
持病の眩暈も表れて、エスカレーターとかホームとかが怖かった。
新年会で酔った女がホームで吐いていた。
そんなんなるまで呑んじゃだめだよ、、、。
よたる男を避けて歩いた。
なんということもなく今を生きる。
笑うのも苦じゃない。
好きじゃないものも好きだと言おう。
嫌いなものは嫌いなままだけど。
好きじゃないものは好きかもしれないとか、好きになれるかもしれないし、には出来る。
ちょっとめんどくさかった。
金曜の夜は
この1年半
誰のために生きていたのか
虚しくなった。
嘘は嫌いなままだった。
吉祥寺も嫌いなままだった。
誰も傷つけずに
カケラが見つからないものだろうか。
あたしのカケラ。
見つけて。
そして
見つけたら
死ぬんだ。
見つけて。そして 死ぬ。
憎しみとか
しばらく忘れていたの。
いつも
優しくありたいと。
罪も許そうと。
あたしも許して欲しいと。
そう思って生きてきた。
生きる自信をなくすのは。
シンプルな
とてもシンプルなこと。
愛する人に愛されたい。
そう。
カケラは見つからない。今も。
愛されないなら
なぜ 神は 私を創った?。